膜分離窒素ガス発生装置のしくみ

1.窒素ガスの生産方法
窒素ガスを得る方法としては深冷分離法、PSA法(吸着法)、膜分離法の3種類が一般的である。
深冷分離法 大規模生産、酸素と窒素の同時生産が可能、複雑な機構、立ち上がり時間遅い
PSA法 中規模生産、カーボン吸着による分離、比較的シンプルな機構、立ち上がり時間若干早い
膜分離法 小規模生産、膜に対する透過速度の差により分離、シンプルな機構、立ち上がり時間が早い
 
2.膜分離の原理と素材
現在実用化されているガス分離膜は、有機高分子材料で作られている。
ガスの透過は膜を介して、高圧側でガスが溶解し、膜中を拡散後、低圧側で脱着する溶解拡散モデルで説明されている。
ガスの分離は対象ガスの透過速度の差で分けられる。
膜の性能は、対象ガスの透過速度、透過速度比に大きく依存しており、
ランニングコスト低減のためにも高分離性の膜素材が求められる。
当社のガス分離膜に用いられる芳香族ポリイミドは、それらの要求を満たす有力な膜素材である。
 
3.膜分離窒素ガス発生装置のしくみ
膜分離窒素ガス発生装置のメインとなる膜モジュール(図1)は、
圧力容器に高分子ポリイミドを素材とする中空糸膜(図2)を収束し収めたもので、
これに圧縮空気を供給することで窒素ガスは生産される。
窒素ガスの発生量と濃度は圧縮空気の供給圧と温度に依存し、
濃度が一定のとき、圧縮空気の供給が高圧、また周辺温度が高温になるに従いそれぞれ発生量は増大する。(表1)
 
 
 
 
4.膜分離窒素ガス発生装置の利点
膜分離法では深冷分離法のような高濃度(99.999〜99.9999%)の窒素ガス生産は困難であるが、
小型でメンテナンスがほとんど必要なく、システムが簡単であるため
故障個所が少なく消耗部品等もごく一般的なものに限られている(エアーフィルターなど)。
さらに、所定の濃度に達するまでの立ち上げ時間が短く、
高圧空気のラインに接続するだけで窒素ガス(95〜99.95%)が得られるなどの特長がある。
これらの利点を活かして比較的小規模流量の用途に採用されている。
 
5.膜分離式窒素ガス発生装置の用途
用途 目的 使用方法 N2純度
酸化防止 レーザー切断 切断面の酸化防止ドロスの除去 切断時に吹き付ける 95〜99
はんだ付け 濡れ性が良く、品質向上 はんだ付け時に吹き付ける 99.9以上
樹脂成形 成形品の変色、黒点防止 ホッパー下部より入れる 98〜99
食品包装 食品酸化防止 食品の包装に充填 99.9以上 99.9以上
防爆 タンクのシール 溶剤タンク等の爆発防止 液面の降下にあわせて入れる 90〜99
粉体輸送 粉塵爆発の防止 粉体を圧送 95以上
洗浄装置 洗浄槽内の爆発防止 洗浄時に洗浄槽へ 95〜99
その他 CA貯蔵・輸送 生鮮食品の貯蔵・輸送 雰囲気の自動調整
 
椛蜷ャ化研では、小型の膜分離窒素ガス発生装置を標準化し販売いたしておりますが、
ユーザー様の必要とされる発生量、濃度、仕様(コンプレッサーの有無,濃度計の有無)などにあわせて
受注製作も承っております。
安価でユーザーニーズに即した窒素ガス発生装置をご提供いたします。
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