熱合成によるハンダ付け技術
ハイブリッド方式によるハンダ付け革命

はじめに

21世紀に入り、世界的規模で環境に対する関心が高まっている中、電子部品に対するハンダ付け手法が多きく見直されようとしています。電子機器の実装に於いては、未だハンダが不可欠なものとなっており、環境保護の高まりと共にハンダに含まれる鉛が大きな問題となっています。ハンダには鉛が約30〜40%程度含まれており、実装されたプリント基板を廃棄した場合、有害な鉛が溶けだし環境破壊だけではなく、人体に大きな影響を与えています。この様な背景において、ハンダ材で一番大きな課題が鉛フリー化対策とされています。
1990年頃から米国に於いて鉛を成分とするハンダに対し法規制化検討を受け、鉛フリーハンダの開発、そして2004年の鉛全廃を視野に入れた取組みがされています。 世界の鉛フリー化の動向を見ると、米国を初めEU圏(欧州)・亜細亜他、完全実施に至る年月は2004〜2008年に全廃を目標としていることは間違いありません。中でも我が国は積極的な取組みがなされ、ハンダ材料のプロセスが条件的に確立されつつある様です。
各メーカーでは実装性の技術評価と安全性、特に構成元素の生物学的影響と環境調和性に置いて高い技術の確立と安全性を重視した実用化の推進を定めているところです。
椛蜷ャ化研(J-MAX)においても基本的プロセスをふまえ、加熱窒素を主体としたハンダ付け装置の開発に着手し、加熱窒素ハンダコテ・自動半田付けロボットの窒素化、99.99%窒素濃度雰囲気でのポイントはんだ槽など酸化防止対策だけではなく、プリヒート効果を持つハンダ付け装置として商品化を進めてまいりました。
現在電子機器業界では、各種 鉛フリーハンダの検討・開発を進め、Sn・Ag・Cu等を
中心とした鉛フリーハンダが市販され始めているようです。従来のハンダとは融点で約30℃高く、酸化速度も以前に比べ早くなりました。各ハンダメーカーではハンダ材に対して研究開発を推進していますが、大成化研では、そのハンダとハンダ付けをいかにサポートするかを考え研究し、貢献できるよう考えております。



1.ハイブリッドハンダコテ

(1)開発の背景

SMD実装部品の電子機器は、高性能化・小型軽量化・低消費電力化へと変貌しつつあります。これらの進展も製品の十分な信頼性の確保が前提であり、環境保全を考え合わせても製品の信頼性向上は廃棄物の減少へと直結します。
一般的に電子機器のハンダ付け箇所の信頼性こそが製品(電子機器)の信頼性を支配するとも言えるでしょう。一点のハンダ付け不良が機器全体に及ぼす影響(故障・誤動作)を考えたとき、ホット窒素ガス雰囲気下でのハンダ付け又、プリヒート効果を持ったハンダ付けは、フラックス飛散やハンダボール飛散を減少し高品質のハンダ付けを可能としました。
ハイブリット方式とは、ヒーターで加熱された窒素ガスとコテ先の合成エネルギーをハンダ付けに繁栄したもので、大気中作業では困難だったハンダ付けも窒素による大気遮断(不活性ガスの確保)・不活性ガス中ハンダチップの長寿命化又、チップ熱量とホット窒素ガスの熱風雰囲気の合成熱により、チップ温度回復特性に極めて優れ、連続ハンダにも温度の安定を保持するよう開発を致しました。

従来、窒素リフローや窒素フローなど不活性ガスを用いた装置は一般的に採用されておりましたが、修正工程や修理工程では大気中での作業が一般的な手法でした。又、大気中でハンダの手直しを進めても半田付け自体の不良といったことはあまり起こりませんでしたが、鉛フリーに変わろうとしている今は不活性ガス(窒素)を検討し、採用しなくてはならない時期が迫っています。



(2)ハイブリッドハンダコテのメリット

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従来の大気中ハンダ付け作業が一般的であった頃は、不良としてチップ部品のセラミックのクラック・基板のパターン剥離や焦げつきなどが有りました。ワーク部品とハンダ合金、パターン金属材のそれぞれの熱収縮率が異なることで、一気に350℃〜400℃のコテ先をあてる際、熱伝導によるクラックや部品への熱影響による不良が発生していました。
しかし、ハイブリッドハンダコテを使用することで、あらかじめ予熱を行ない、急激な温度差を無くし部品への又、パターンへの熱影響を取り除き、ワーク部品への優しいハンダ付けが出来るようになりました。

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ハイブリッドハンダコテを使うことで、ぬれ性の良さや窒素パージによる脱酸素効果が得られ、フラックスによるガスの巻き込み、巻き込みによるイモハンダ等の不良防止、又気孔(ポリシイテー)の偏析の無い微細結晶が得られます。大気中とは比較にならない信頼性と確実性を得ることができ、又フィレットの高さも、ハンダ合金そのもので表面張力が100%出来ることで、大気中のハンダコテより多くなり、仕上がりも大変綺麗になります。
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